前項・影法師と同じく「三曲の未来を思考する会 邦楽演奏会」にて。こちらは佐野満穂さん・楠紀江さんに声をかけていただいた舞台。
・病み上がりの条件はもちろん変わらず
・やはり初めて舞台にかける曲だが、印象的な旋律に限りほんのり覚えてはいた
・下合せは2回予定が1回に(直前合わせが飛んだ)
・使用の滋章銘六寸管はソロでは初舞台(連管曲では1回使用)
・当日のリハは影法師同様に通し演奏はできず、時間上の制約などから楽屋合わせもなし
以上の条件と、九寸管と六寸管の扱いの難易、また両曲の手の速さの違いからすれば、前項の影法師に比べこちらのほうが数倍キツいファーストテイク。かつ、楽屋では音出しもほぼ控えていた状況下で、演奏順はこちらの曲が先だった。フラチな考えではあるが、先に九寸でアンブシュアまわりをほぐしておけたなら…。実際の演奏もこの条件差に準ずるかたちで、糸と合えば映えるチロゝレチヒハ・ヒメチレゝゝ、出れば嬉しいソロの大甲レともきっちりコケて、本番に奇跡は起きないという当たり前を噛み締めたのだった。
五郎先生、申し訳ありません。
田中さんの六寸は素晴らしい楽器だが、律クセを抑え込み、各音の音色を(ある程度にせよ)揃えまとめることは、八寸・九寸よりも当然難しい。独り吹きで、あるいは糸と合わせながら、時間をかけて慣らしていかないと無理が出る。で、無理は出た。足らぬことは足らぬものです。
ちなみにこの日の六寸は、2月に千葉で春の海を吹いた楽器ではない。結局、ほとんど赤壁の大甲レを出すためだけにもう1本お迎えしたのだ(出せなかったが)。春の海専用管の音幅には敵わない代わりに律クセが少なめで、倍音成分は琴古らしい甲強め。本番慣れさえ果たせればこいつも相当のモンであることは間違いない。なんしかどちらも、ドングリ内径のバンブーフルートからは遠く離れた、歯ごたえがあって最高に楽しい楽器なのだ。
赤壁賦(中能島欣一 作曲)
箏:佐野満穂・楠紀江/尺八:河宮拓郎
とまれ不出来ではあるが、佐野さん・楠さんのお許しも出たことだし、YouTube にはアップして今後のガソリンとしよう。早くセカンドテイクを撮って赤壁を上書きしたい、とオノレに思わせなければ。
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