去る6月3日の「三曲の未来を思考する会 邦楽演奏会」にて井上溪子さんにお手合わせいただいた一曲…なのだが、この曲こそはファーストテイクの名にふさわしいというか。
なにせ、本番前に一度だけ予定していた下合せが私のハヤリヤマイ罹患で飛んでいき、当日も進行上時間がなくて舞台での通しリハはなし。調弦室で一度だけ(小さな音と爪弾きで)通して舞台に上げたというオソロシイ演奏だった。かてて加えて影法師は、個人的には過去に稽古したことがない未知の曲。さらにさらに、使用したごんぶとズッポ抜けの滋章銘九寸管はこの日が舞台デビュー。笑うしかない。でもどうだろう、あらかじめ井上さんに送っていただいた独り弾きの録音をそれなりに聴き込んではいたので、どうにか首は繋がって…いませんか。そうですか。
影法師(幾山検校 作曲)
三絃:井上溪子/尺八:河宮拓郎
大迷惑をおかけした井上さんには恐縮ながら、かくも悪条件揃いの舞台を踏めたのは実にいい経験ではあった。二度と、二度とゴメンだが。
LX100 バス停に充電用のUSBポートが備え付けられているのには驚いた。「考えるな! 携帯でもイジってろ!」という「ゼイリブ」的なメッセージが読み取れなくもない。
昨日、マスターズ京都予選に勢い込んで乗り込みながら2回戦で第1シードにコロンと負けて(予想通り)時間が空いたので、とある演奏会を途中から聴かせていただいた。プログラムはバリエーションに富んで、ゲスト奏者の技量も確か。大いに楽しませていただいたのだが、客席がナァ…。
本曲の途中で堂々と入ってきて階段をドスドス。一眼レフのバシャバシャのみならず、イマドキの高感度性能なら不要なはずのフラッシュまでビカビカ(ミラーレスへの買い換えと、脇を締めたブレない撮影メソッドの習得を強く勧めたい)。LINEの大きな着信音が1曲中に複数回、たぶん同じ人。脚を組んで聴いても別にいいが、後ろ体重でカノジョと頭をくっつけクスクス笑い、たまにスマホを高く掲げて舞台の動画を撮っているおワケェの、隣に缶ジュース(キャップのあるボトルではなく缶)まで置いて、あんたナニしに来たの? ま、スマホで動画や写真をえんえんと撮っているアホウは他にいくらもいたが。
あの内容で入場無料は主催者の志の高さを表すものだが、ロハは、フリーダムな客の混入と聴く姿勢の弛緩をどうしても防げないようには思う。ニンゲンの扱いって難しい。