忍者ブログ

いずこじ

陰陽、笹の葉、風の色。琴古流尺八、道中甲有り呂有り。

こだまはかえるよ

12月4日の八竹会で楫枕を吹いたところ、数日後にはその模様が Youtube にアップされた。時代ってやつは。


楫枕 三絃:岩崎千恵子/箏:杉本響/尺八:河宮拓郎

近況報告として師匠にリンクをお送りしたところ、程なくありがたい赤ペンを返していただいた。ふだんは本曲の宅録をお送りしてダメ出しをいただくことが多いのだけど、珍しく三曲についてのコメントということで、師に導かれて私が目指そうとする未踏の場所をオープンな場に記しておくのもいいかと考えた。

あ、ヒトコト。この日、箏の杉本さんはコンタクトレンズの不調で譜面がまともに読めなかったというお気の毒。しかし八竹会はあくまで勉強会の位置づけであるから、シクジッタはモウケタにも等しい。

さても、楫枕ってのはつくづくよくできた曲だ。インドの友人・モヒットさんにも聴いてもらったところ「Composition sugoi kirei」「Shibui !!!!」と感想をくれた。以前に残月を聴いてもらったときよりダイレクトなコメント。うん、このあたりの曲は、音楽が好きな人なら一聴して曲のよさが伝わるリミットの長さに近いのだと思う。そして、邦楽に馴染みのないヨノナカに地歌を「より広く」伝えるために、尺八は大きく貢献できる。私はそう思っている。


LX100

では以下。動画をご視聴のうえお読みいただければなお幸い。

前唄の呂のロの連続が単調。流れない。置きにいっている。
唄部分の各音のアタマ、ツレ以外が曖昧。アタマなしのカラダオバケ。
バチの落ちる一点を探るような、自信なさげに聴こえる。
手事の流れのような潔さがない。

各段のオサメ。丁寧に弱く収める傾向にあるが、
三者とも弱くオサメルと貧弱、腰抜けな印象になる。
収めるところ、音数少なく、糸もすぐ減衰、竹は堂々とたっぷりの方が、
豊かになるし、そここそが竹や胡弓のオヤクメでしょう。
気持ちはそのままに豊かに鳴らしましょう。

ウヒ―。来た来たてんで、構えて吹くと、遅れる。
ウは瞬間先行しなければヒの打点が遅れる。
要注意。

あと、気になるのは、アタリ以上にハズミ。
テーンツトンのツトンの運指の活舌が悪い、運動量が少ない、
大きく鋭く!
ハローヒレーもハズミの同類で、楽典綱要には、
特別項目として詳述されている。
ヒレーがツトンであり、気合も重みも乗らなければならない。

それと。難題乍ら、
竹が糸を窺う?ように、ゆっくりした部分、各段収めるところは、
「糸が竹を窺う」窺えるような吹き振り、
次の音はここですよ、と指し示すような、
マエブレの吹き方、音の作り方。

現在は、ゆっくり、レーレーとある場合、
最初のレーを笹の葉に吹きそのまま、次のレを狙っている。
横長の二等辺三角形が二個接しているようなカタチ。

ではなく、場所にもよるが、
本曲でする、レーレー、二つ目のレの直前で膨らまし始めて、
クレッシェンドしてガツンとレに当たる。
そんなことが、外曲の前唄や各段のオサメの緩むところで
演出できると糸も安心してバチを落とせる。

この辺り、考究ください。
取り急ぎ気の付いたところ。

対面稽古の頻度が下がってしまっていることもあり、久しぶりの実家で玉子焼きを食べたような、そうだった、この味と硬さだったと口角を上げて頷く心持ち。大いに反省しなければならないところではあるのだが。

東京トンボ返りで25日の会の下合わせに行ってきた。まったく歯が立たなかった難敵とは、どうやら手四つで組み合えるくらいのところまで来たかしらの本番2週間前。しかし、寝てれば2時間ちょいで東京に着くんだから、費用対効果で新幹線って超安い。リニアモーターカーなんて要らんでしょ。クルマならノンストップで4時間かけても横浜町田までがせいぜいで、寝られないどころかクタクタに疲れるうえに、ひとりならクルマのが高いときている。毎度、荷物さえ少なければなあ。
PR

コメント

プロフィール

HN:
河宮拓郎(カワミヤタクオ)
性別:
非公開

P R