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いずこじ

陰陽、笹の葉、風の色。琴古流尺八、道中甲有り呂有り。

河宮拓郎 尺八演奏会より 4「岡康砧」



岡康砧
岡康小三郎 作曲/中能島欣一 箏替手作曲

箏第一替手:佐野満穂/三絃:阿部幸夫・河宮久美子/尺八:河宮拓郎
 
<歌詞>
月の前の砧は 夜寒を告ぐる 雲井の雁は 琴柱(ことじ)にうつして面白や (手事) 夜半の砧のしぐれの雨と 夜半の砧のしぐれの雨と うちつれだちて今日の遊びは
 
砧とは、古くから使われてきた、布地を柔らかくするためにコンコンと打つ道具であり、その作業は秋の風物詩。この曲の手事にあらわれる、「テンレンテンレン」のリズミカルな手は「砧地」と呼ばれます。山田流箏曲ならではのダイナミックな緩急と、高音を多用する派手な旋律のなかで、この砧地を感じ取っていただければと存じます。
お客さまの入った舞台で山田流の曲を演奏するのは、ほとんど初めてです。しかし、生田流の地歌手事物と同様の形式を持つ「都の春」「岡康砧」は、華やかなフレーズ、疾走感のある手事に惹かれて、学生時代、おおよそ覚える程度には独習に励んだものでした。
佐野満穂先生とは、合奏勉強会「三曲研究会」でおつきあいをいただくようになり、これまでに「さらし」「須磨の嵐」などを勉強させていただいたところですが、今回、初めて舞台での共演を受けていただくこととなりました。
そしてこれが、まず生田流の阿部先生との合奏であり、しかも佐野先生に弾いていただく箏は主旋律の本手ではなく、中能島欣一の手になる第一替手(つまり本手は無し)と、ここまででもう大きなイレギュラーが二つ。そして、舞台を遠ざかって幾星霜の妻・久美子を三味線で能舞台に引っ張り上げるという…、これらの企みは、人を驚かせることが大好きな阿部先生に由来します。
ここまでかき回せば何らかの化学変化が起きることはまず間違いありませんが、果たしてどのような。おのれの演しものながら、楽しみ半分、おっかなびっくり半分であります。
(以上、パンフレットより)


撮影/岡森大輔
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プロフィール

HN:
河宮拓郎(カワミヤタクオ)
性別:
非公開

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