日曜日の「綵の会」。持ち曲の3曲中、つつがなく、とかろうじて言えるのは1曲だけという体たらくでしたが、なんとか吹き終えました。主に私の力によって空は晴れましたが、6時間にわたる番組を通じてほぼ満席となったのは、主宰の島田道雪先生・恭江先生ご夫妻、ゲストの岩崎千恵子先生およびご門人のみなさま、ほかご出演のみなみなさまが日頃から黙々と積まれる徳への報いであったことでしょう。
LX100 10日ほど前は京都から700kmばかり離れたこんなところにいたな…。
などと口上をくどくど述べるいとまもあったものかは、明日は「邦楽を楽しむ会」であります。
第76回 邦楽を楽しむ会 ~合奏における尺八手付の聴き比べ~6月22日(水)19:00開演(18:30開場)京都府立文化芸術会館・3階和室入場1000円(高校生以下500円)
人前で吹くのがまんじゅうより恐ろしい六段、黒髪に加え、新娘道成寺(尺八:河宮)、楫枕(尺八:吉田工山さん)と、世紀の名曲が目白押し。都山の琴古のと企画はマニアックですが、なんちゃない、いい地歌、いい箏曲をただ聴きにお運びいただければと存じます。奏者は、曲のよさを余さずお伝えできるよう最善を尽くします。
ときに、以前、津上弘道さんと呑んでいた折「尺八でいちばん好きな音は何ですか」と尋ねられて、ノータイムで「チのメリです」と答えた私。六段はともかく、黒髪と、大好きな曲の中から「なんとなく」で選んだ新娘道成寺は、ともに地歌屈指のチのメリ天国。梅雨空を晴らすチメになるか、さらに降らすチメになるかは分かりませんが、明日はよきメリを奏でられますよう。
