裏の神社の沈丁花が、ふとした拍子に香る。肌寒かったり上着の要らない陽気だったり、雨で湿ったりからっ風が吹いたり。空気のコンディションが乱高下する春は竹の息受けも日ごとに変わり、吹き手にはまずまず辛い季節だ。鳴らない日は息も短くなるから、フレージングまで変化してしまう。合奏稽古をつけていただいている先生には「さっきと今とで切るところが違ったわねェ」などと言われて畏まるしかないのだが、「ここで切っては台無し」という場所を除き、ブレス位置はある程度流動的にしておくほうがいいと、少なくとも今は思っている。ブレスが前後してもフレージングが不自然にならないよう、初めて見る飛び石を渡っていくときのようなとっさの判断と操作が求められるのは当然のこととして。
コンディションと云えば、私は今のところ花粉症ではない(と信じている)が、十代まではハウスダストアレルギーによる鼻炎持ちで、ひどいときには1日で箱ティッシュを空にしていた。浪人時代に半年ばかり、数日おきのペースで抗原注射を打ち続けるという、今なら絶対に続かないだろう微妙に憂鬱な治療を受け、鼻水ズルズル人生からはおおかた解放された(半年程度の通院では根治していないと思うが)が、あのままズビズバと鼻を垂らしていたらば尺八の習得にも大きく障ったことだろう。イマドキは舌下免疫療法という痛くない保険適用のアレルギー治療法があって羨ましいことだが、まあ若いうち、病院に通う根気があるうちにある程度治しておいてよかったワイ。
4月後半からはちょこちょこ出番が増えてくる。そのご案内はまた改めて。昨日は、水無月の大勝負の出場パスが送られてきた。これで通算4打数3安打か(ちなみに神南の方は3打数2安打)。本番がないときは鍛錬熟成の好機とうそぶきつつもタルみかけていたが、ヨシャ、ちょっとヤル気出てきた。梅雨入り前後のこの時期は、晴れていればいくらでも勝手に鳴るが、雨だと気温によってはヤバいことになる。春の乱高下のうちに、その落差を小さくする方策を模索していこう。今のところ二塁打止まり、次こそはホームランを。
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それにつけても、本曲は得手勝手な滑空を続けるうちに澱やヤニがたんまり溜まっているのを感じるし、師匠の添削で指摘されてもいる。いいかげん九十九里飛行場に戻ってポンコツの機体をあちこち修理しないと、現状の高度をさえ維持できなくなりそうだ。ヨノナカには空念仏の満ちて、実質お手上げ、あとはDIYでよろしくねと。なれば、行くか。
おっと、去る日曜は今年初の試合、京都社会人リーグ(例によって昇降格のない交流試合)だった。いつもと違う遠い会場で時間を読み違えて大遅刻。事前練習できずの身体カチコチで始まって、どうにかこうにか2勝2敗(チームは1勝2敗で7チーム中4位)。時間をトチるような不心得者が勝ち越せるほどトップリーグ1部は甘くないのだった。