昨日、和歌山・田辺の紀南文化会館小ホールで開催された「2021 国際尺八コンクール in 田辺」の実演部門において、私は鹿の遠音を吹奏し、幸運にも金賞=文部科学大臣賞を受賞することができました。
最良の指導メソッドをもって我が尺八楽のすべてをかたちづくり、あらゆる心得違いを厳しくご指摘くださる師匠・久我敦彦先生、独創と工夫によって他に類のない最高の楽器を作ってくださる製管師・田中忠輔さんに、改めまして心よりの御礼を申し上げます。
また、常日頃よりご指導ご鞭撻を頂戴しております諸先生方、先輩、同輩、後輩の各位にも、衷心よりの御礼を申し上げます。会場に駆けつけ見守ってくれた、邦楽に縁のない同窓の旧友や、かつての仕事仲間さんにたいしても、感謝の念に堪えません。ありがとうございました。
いつも似たようなことを書いておりますが、久我師の琴古流と田中さんの楽器でできているうつわに、思うところをほんの少量注いだばかり、が今の私。うつわはなお大きくつくれるはずですが、中身が少ないままでは絵にも話にもなりません。さまざまな幸運が仕合わさっての受賞であることは明らかながら、僥倖であればこそ、その幸運のエネルギーを推進力にせいぜい前へ進み、能う限り多くの思うところをうつわに注ぎたいと考えます。亀の歩みの精進、花深き処へ向け、一歩一歩。
コンクールの模様は、後日動画にてアップされるそうです。公開されましたら、ここでお知らせいたします。
GM1 会場入り前に食べた喫茶『サバ』のオムライス。バターがぷんと香り、美味。
表彰式の後、審査員の先生方に、師匠はどちらの?と尋ねられて答えると、善養寺恵介先生が「ああ、久我さん。近頃はお見かけしないと思っていたけど、そう、久我さんの」と懐かしそうなお顔をされました。ジンときました。
11月13日・追記)
今回の国際尺八コンクールは、コロナ禍の影響から、外国からのファイナリストを「動画部門」で審査し、実演部門は日本人奏者だけで審査することとなったものでした。実演・動画部門それぞれに金賞が設けられていましたので、実演部門での受賞と分かるように修正を加えました。ものごとは正しくご報告しなければなりません。反省。