糸方との合奏において、暗譜してあれば目を閉じて吹くが、譜を置く場合でもつとめて糸方を見ないように目は譜面だけを注視し、横目で所作を窺って撥や爪のタイミングをはかることは(今となってはもう)しない。盲人に対して後ろめたいとかではなく、耳だけで合わせられない三曲には何らかの難があると思うし、その難をゼロに近づけたいと思うからだ。
LX100 ガチ清流、球磨川。橋桁の大きな木は3年前の大水害時に引っかかったままのもの。食事に立ち寄った店では「ここまで水が来ました」と、壁の高い位置に矢印を貼りつけてあるところが何軒もあった。
さて、目を閉じて吹く場合、困るのが終曲時だ。10分20分閉じていた目を急にパカッと開けると、瞑目の間に生理現象として分泌された涙がだいぶ溜まり、睫毛を軽く濡らしているような状態。お客さんに「あれ、あの尺八泣いてない? キモっ!」と思われないかと心配になるのだ。よしなしよしなし。