鴨川の河原で、アタリのルールをアタマで思い出しながら人に伝え、かたわら、初学入門の荒城の月やらさくらやらを吹いた。外で吹くのは去年の5月以来、先生竹をお外に連れ出すのは初めてだ。そして、こんなに吹けないとは、この竹が風にこれほど弱かったとは、と大いに驚く。
柔らかなそよ風が唇に当たるだけで、今までの竹ならちっとは出ていただろう音が出ない。かすれるのではなく、まるっきり出ないのだ。手孔・内径の大きさが影響しているのだろうか。仮にそうだとして、竹が屋外・屋内のどちらを本領としている/すべきであるのかを私は知らないが、少なくとも托鉢の曲たる一二三鉢返調を吹く以上、外で吹けないというのでは格好がつかない。暖かい花見日和と思って出てみたら、日が傾くや肌寒く、風もビュービュー吹き始めて、どうやら “外吹き” には時期尚早ではあったのだが、これからはちょくちょく外で吹いていこうと決めた次第。
帰宅して吹いてみると、半端な気温のせいかここ数日スカスカしてイヤだなあと思っていた音が、キンと身の詰まった(私にしては)いい感じに。音が出ないところで吹くというのは、当然ながら正しくやれば効果の高いトレーニングになるはずだ。こちらの効果も期待しつつ。
K-1 II
以前にも書いたが、学生時代、私のひとり稽古の定位置は学生会館の階段を昇りきったところにある4階消火栓前。気持ちよーく音が響く、あとから思えば最悪の場所だった。寒くない季節だけでもちょいと歩いて大隈講堂前あたりで吹く癖をつけていれば、もう少しは地力を蓄えることができていたかもしれないのに。