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いずこじ

陰陽、笹の葉、風の色。琴古流尺八、道中甲有り呂有り。

ととのう膳

昨日は、「尺八・風の色」のうちの連管曲である、雲井獅子と鹿の遠音の下合わせ。ジェシー逅盟さんを伴い、小林鈴純さんのご自宅、つまり小林一城工房にお邪魔してきた。

合わせてみれば、いやはや、一足お先のお客気分。多色刷りの「風の色」がとても面白い。鈴純さんの音は大阪でのシリーズ演奏会「古典本曲断片」の客席で何度も聴いているし、とある合奏勉強会でご一緒させていただいたこともあるが、間近で本意気の本曲を聴くのは初めて。ここまでパワフルで、遠近感の豊かな大音量だったとは。ジェシーさんはジェシーさんで、昨秋に熊本で聴いた音から大いに変貌を遂げている。最近メインの八寸管を持ち替えたとかで、そのせいか音圧がグッと高まり、硬質でマッシブな鈴慕会系の音に対して竹盟社らしい柔らかく艶やかな音色の裡に、女性とは思えぬような膂力が漲る。年々歳々、お二人とも私よりトオかもっと若いのだ、そりゃ同じからずも当然で。

これほどくっきりと色が分かれるなら、仮に生まれて初めて尺八の音に相対する人であっても、その違いは容易に聞き分けられよう。旗色という点では一見やや不鮮明な私ではなく、かたや鈴を提げ、かたや盟を結ぶ、累代の系譜も鮮やかなお二人に鹿の遠音を吹いてもらうのは、企画的に大正解だと自画自賛の皮算用。


K-01 私より三回りスリムな師匠と、熱中症寸前のハチばあちゃん。

負けていられぬトオの立った首謀者は、九十九里にて直前講習。浜辺を散歩したりしつつ、1泊2日で計7~8時間は稽古をつけていただいただろうか。季節のせいもあろうけど、いつまで吹いても疲れないのはどうしたことか。こういう絶好調のあとに、私はよく風邪をひく。気をつけねば。
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河宮拓郎(カワミヤタクオ)
性別:
非公開

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