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いずこじ

陰陽、笹の葉、風の色。琴古流尺八、道中甲有り呂有り。

ことども

一昨日、無観客・後日動画配信となった「第5回 箏・三絃・尺八による音楽会」にて、島田洋子先生社中「島田塾」の皆さまとともに都踊を演奏した。「これ動画でアップしますからね」というお膳立ての舞台で竹を吹くのは生まれて初めて(イマドキそんな手合いは時代遅れなのだろうなァ)であり、かつ疫病対策のために、リハはもちろん楽屋での音合わせもなしというキビしい条件下での一発録り。これで、ミスしたらネット社会の終焉まで残りかねない記録をものされてしまうとあっては、なかなかのプレッシャーゲームだろう。

とはいえ、下合わせと違うことを本番でできるわけもなく、「気持ちお行儀よろしめ」くらいの塩梅で吹いたはずだが、その動画を見た日にはオノレの無作法に泣きたくなるかもしれない。ま、為したことからは逃れられない。アップされた暁にはこちらで告知をば。自発的には地歌と本曲しか吹かない私の動画デビューが宮城曲というのも、誰かの手引きのようなものであるやもしれぬ。道なりに逆らわず、体を左右に揺らしつつ。

で、下記の会、緊急事態宣言延長に伴い、「再」延期となりました。

第75回 邦楽を楽しむ会「合奏における尺八手付の聴き比べ」
9月22日(水)19:00開演
京都府立文化芸術会館・3階和室
延期!

次なる開催予定(変な日本語ですが)は来年6月だそうです。もはや、ハイうまくいったらおなぐさみ、の心境ですが、まあ備えます。

さしあたり、次の出番は…

第31回 三曲鑑賞会
10月16日(土)18:30開演
京都府立文化芸術会館
入場/一般2000円(当日2300円)、大学生以下500円、70歳以上1000円(当日のみ)
 
となります。私は一二三鉢返調を演奏します。これも開催の可否は直前まで決まらないと思いますので、なりゆきを見守っていただければ幸いです。


GM1

さてもさても、先生竹とのおつきあいも1年半を過ぎ、よーうやく大事な勘所(のひとつ)に辿り着けそうな予感を覚えている。でも、この竹だからこの勘所が効く、というのではなく、30年来の悪癖が先生竹において初めて、最も顕著に表面化しているだけのことなのだろう。先生の面目躍如。10月の一二三には、この勘所から得られた成果を可能な限り投影できればと思う。もちろん、未解決の苦手はまだいくらもあって、先日くだんのミミヨシ氏に数曲聴いてもらったところ、たとえば「なんでここだけ乱暴なんですか?」と例の “知らないから放てるグサッとくる質問” をいくつも打ち込まれて、たいそうこたえたものだった。例によってその指摘が師匠のメタファーとしばしばカブるから、よけいに深く肉をえぐってくれる。感謝、道中、精進。

先日、といえば、数日前は大阪へ「古典本曲断片 その什弐 ~上方の夏 本曲の夏~」を聴きにいっていたのだった。毎度京都から50km近い遠出だが、とりわけ近年の会場になっている谷町のお寺は我が家の菩提寺のすぐ斜向かいなので、遠いという感覚があまりない。会は早くも第12回を数えてロングランの値打ちは高まるばかりだが、曲数=ネタ数の少ない本曲のこととて、当初は会を設けるだけで意味のあったテーマ主義、その太い題材はそろそろ尽きかけているやにも見える。私の見解としては、引きの弱い細分化され(すぎ)たテーマ、もしくは包括力の弱い漠然としたテーマへとエントロピーを高めていくよりも、単純に2巡目へ入っていった方がいいように思うが、どうだろうか。全員が巣籠だけで押し切った初回、今思い出しても痛快な会であった。1巡目と異なる見せ方・演出は、きっといくらもあろう(無責任)。

むろん積極的に打ちたいわけではなかったが、なんとか10月中にワクチンを打ち終える算段はととのった。11月からは今と変わらぬ衛生意識を保ちつつも、身の処し方としては徐々に反撃開始となる…はずだが、これもその時になってみなければ知れたものではない。日本と世界の病状に関係なく私にできることは、只管打吹。師匠に尻を叩かれていることもあり、今日も明日も、本曲を何度も吹こう。
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プロフィール

HN:
河宮拓郎(カワミヤタクオ)
性別:
非公開

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