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いずこじ

陰陽、笹の葉、風の色。琴古流尺八、道中甲有り呂有り。

イッコタレ

「一個タレ」。いつかどこかに師匠が書いた言の葉。スタンド・アローン。

外に出るのは一日一回、用足しのみ。昨日はテイクアウトで注文した料理を受け取りに近所のイタリア料理店へ。おとといは食品ラップと洗剤とゴミ袋を買いにスーパーへ。それだけ。この巣籠り暮らし自体に特段の陰鬱を感じてはいない。仕事がない時のライターふぜい、だいたいがこんな調子だ。吹いていればヒマは勝手に潰れてくれる。もとい、ヒマがあるなら吹け、だ。

で、今日も外出は一回。撮影したブツを引き取りに某所へクルマで出向き、雨の中、お互いマスクで車窓越しにチャッチャと受け渡しをしてタッチターンで帰ってきたのだが…。道中、無茶な追い越しやら変わりばなの赤信号ブッチやら必要のない急加速やら、荒れた運転をしているクルマが妙に多くて気になった。大阪市内の幹線道路近くに住む知人によれば、クラクションの長押しが頻発し、表からはジイさんの怒鳴りちらす声がしょっちゅう聞こえてくるという。荒廃、まではいかずとも、人心のスキール音は少しずつ大きくなっている。

都市封鎖を行わず、あくまで外に出ないで「ください」と拝みたおすばかりの日本の手法はもちろん生ぬるいが、専守防衛を建前とする非戦国の、あるいは1000兆円もの負債を抱える大借金国の、パンデミックに相対する姿勢として間違って「は」いない、もしくはレールを踏み外して「は」いないと私は考える(もちろん最適解である可能性は低いが)。そして、国は国民の権利を向後ほぼ制限しませんと憲法に書かせた、というか書いたのは戦勝国なのだから、ドイツやイタリアが笑うならともかく旧連合国がとやこう難癖をつけるのはお門違いというものだ。

でも、ある程度の医療崩壊をきたし、未知数の感染者・死者を出すことも織り込みつつ、もろもろトータルでベストと信じて我々はこの路線を行くのだと胸を張るなら、せめてそのベストに向けてのベストを尽くす意識をさえ持たない者は、京都人のいわゆる「嗤われますえ」な存在だ。今も街を闊歩するお若ェの、やまれぬ用があるなら歩けばいいけど、マスクがないならバンダナでもスカーフでも包帯でも靴下でもオシャレに巻いてみせなさいよ。今なら泥棒やミイラに間違えられることもない。


GX7III 二度の刈り取りにもめげず、春の日差しを浴びて伸びる豆苗。

今日はちょいと多めに七小町、里の暁、楫枕、新娘、新青柳。暗譜は恥ずかしながら楫と新娘のみ。里の暁は、東京暮らしの間には吹く機会が全くなかった曲で、戯れの完全ぶっつけで糸に合わせた(当然まともには吹けず)のが5年以上前、今日吹いたのがおそらく3回目くらいで、つまり海馬に穴のあいている私にとってはほぼ初見だ。今さらかよ、という話だがこの曲、メチャクチャひねくれてて面白い。正しく言えば、末の契や若菜あたりとは毛色が異なり、松浦検校にしては珍しく「分かりやすい」テクニカルなひねくれっぷりが楽しい。しばらく吹き込んでみよう。ヒマはこうして潰れていく。
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プロフィール

HN:
河宮拓郎(カワミヤタクオ)
性別:
非公開

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