みんな哲学者のような顔つきをしているが、やってることは総じてユルい。だからいいのかもしれない。
世界に冠たる『インド食堂 タルカ』店主・小此木大さん直々のチェンナイお導き、ミールスやティファンの旨いことといったらそれはもう筆舌に尽くしがたく。そして、肉もおいしいが、やはりここではベジミールスが貴い。汗をかきかきビールを合わせることができればさらなる法悦の到来待ったなしだが、あの黄金色の麦ジュースは飲食店のみならず街なかにほぼ見当たらない。それでも、鮮やかで深遠な味わいのスパイスに軽く酔う、あの感覚があればアルコールのことなど(当面は)忘れていられるとも思う。どうしても合わせずにいられないなら帰国後『タルカ』に行けばいい。
日本で食べたことがない、いやこんなものは日本にないと断言できる衝撃的なおいしさのベジミールスを、腹が割れるほど食べて75ルピー。帰ってきて、部屋のミニバーに置いてあるケチくさい小瓶のキングフィッシャーをたまらず呷れば120ルピー。何かがおかしい。そのおかしさをしばらくの間、ありがたく享受させていただく。
K-5Ⅱs
竹は気圧と湿度の急変に耐えてくれた。ホテルでしばらく音出しをしてみたが、フロントから苦情が来ることはなかった。昼間なら少々練習しても怒られないかな? 明日はニッポン大好きなインド人さんの前で少しばかり吹くことになりそう。ああ、メイン管があれば本意気の音を出せるのだけど。とりよせバッグが今ほしい。