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いずこじ

陰陽、笹の葉、風の色。琴古流尺八、道中甲有り呂有り。

つゆのなかなか

引き続き小忙しい。しかし忙中閑あり。えらく久しぶりに一般公開の動画を上げたので、ここにのみ追記しておくべきコメント、すなわち蛇足のイイワケを置いておく。



本番に備えて悪条件に慣れておこうと、控え室を出てから一度も音を出さず、舞台に上がってからもウォーミングアップをせずに吹き始め、手事もオーバーペースに転がろうとする指にブレーキをかけず、このまま転がり続けたらどうなるかと試してみたのがこちら。当然、一部破綻したわけだが、本番(もちろん自撮りは不可能)はこれよりコントロールが行き届いたと記憶している。答え合わせをしたいので、公式チャンネルにはナルハヤで演奏動画をアップしていただきたい。

それにしても、中国尺八勢はどこへ行ってしまったのか。コロナが明けて、もうとうに復活していていいはずなのに、今年も本選は日本人のみ。3年前の国際尺八コンクール in 田辺の動画部門を思い返すに、腕前としては熊本でも上位入賞濃厚だろう凄腕がひとりならずいた。おかしな力学がはたらいているのでなければいいが。

表彰式後の懇親会では、毎度さまざまなご意見・お考えを伺うことができ勉強になった。前にも書いたが、このコンクールは「邦楽器『演奏』のプロが審査員にいない」「全邦楽器バトルロイヤル」のコンクールであるという点で異…もとい非常にユニークで、ゆえに “攻略” がきわめて難しいコンペティションだ。腕前はもちろんのこととして、王座攻略のカギは、此度の懇親会でもたびたび聞いたコトノハ、すなわち「インパクト」を大いに援用することなのだろうと、今の私は考えている。

とはいえ、ハッタリや醜いデフォルメに類するようなケバいインパクトは、私の醸したい音楽ではない。あくまで音と技のもたらすインパクト、というよりは分厚いトルクで小器用やケレンやクネクネ踊りや劣化コピーを霞ませる。いいトシをした私がコンクールでやるべきこと、やりたいことは、伝わろうが伝わるまいが、これしかない。のだが、舞台でほぼ限界値を披露できたにもかかわらず「もっとインパクトを」と求められるならば、私は次回、ナニを得物に参戦すべきだろうか。



私の数少ない本曲レパートリーの筆頭たる一二三鉢返調であるのに、今頃になっての動画アップ。しかも屋外一発撮り@鞍馬・奥の院。録音レベルは上記・熊本前日リハのときと同じでいいかとテキトーこいてみたところ、そんなもんではメチャクチャに低かったようで、帰って再生するとろくに聞こえない。やむなく再生レベルを上げてみたところ、途中から特定の音に不協和音ノイズがのってしまった。聞き苦しく恐縮であります。

屋外で吹くのは、タイミングやら風やら羽虫やら突発的なノイズやら、自然という障害に満ちている。加えて多くの場合はノンリバーブ。つい怖じ気づいて外ではなかなか吹かない習慣が身についてしまっているが、本当は外で吹けば吹くほど総合的な演奏力は上がると確信している。特にタフネス方向に。


GX7 Ⅲ

さて、間もなく1年の前半終了。年の後半は後ろに行くほど大曲があれこれ待ち構えており、バンバン入るだろう下合せを併せてキリキリ舞い必至ではあるが、これこそ竹の、音楽の楽しみ。力の限りの舞いを。
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河宮拓郎(カワミヤタクオ)
性別:
非公開

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