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いずこじ

陰陽、笹の葉、風の色。琴古流尺八、道中甲有り呂有り。

夏期講習

だいぶ間が空いてしまった。

1階と2階のダブルでエアコンを回しているのに家が冷えない。なかなかの暑さだが、湿気にかつてないほど心身とも苦しめられた最前までの長梅雨を思えば正直なんちゃない。徹夜明けでうろちょろした今日のならまち界隈ではわずかにクラッとしたものの、昨年タイのクレット島で突如熱中症に襲われて上下水道崩壊でくたばりかけた時に比べればまだまだ生ぬるい。あのときは朝に降ったスコールが午後の強烈な陽差しで蒸れ上がり、ミストサウナのような凄まじい湿気だった。剣呑。

弟の初盆棚経も(時節柄、親族は呼べなかったが)無事終えて、先生竹と迎える初めての夏、というより暦ではもう秋か…。先生は相変わらず様々なことを教えてくれるが、目下はとにかく「力を抜け」だ。また教え方が上手い。「力を抜かないと、ほら、こんなに鳴らないぞ」ではなく「力をさえ抜けば、ほら、こんなに障りなく鳴るだろう」式で伝えてくれるから、響きの快を求めていればおのずとそれが鍛錬になる。ずっと力を抜いて吹くためにはどうしたらいい? 30年間鳴らしにくいと感じてきたあのハズミやあの装飾音、意識が息から逸れる一瞬に腹から息が抜けておかしな息遣いをしていないか?などなどイモヅルの cf. もたくさん。なにより、過去に使ってきた楽器が盛夏に必ず陥ってしまった症状、すなわち「鳴りきってしまってコントロールできない」状態になる気配が今のところ全くない。このままいけば、先生は(初夏よりも)盛夏を愛する楽器である、という仮説を立てることになろう。

近年某先生のご厚意で引き合わせていただいた糸方の先生に、新たに合奏稽古をつけていただくことになり、すでに何度か。そういえば、合奏練習は様々な先生にお相伴させていただいてきたが、「先生と生徒」と明確に分かれた立場での「お稽古」は、ヘタをすると初めてかもしれないなどと思ったり。練習でも稽古でも相手は「先生」なのだから大差はなさそうなものだが、どうやらこれが違う。どう違うか言葉にするのはアレだが、数年前のオノレの合奏を聴いて「あ、こんなにダメだったのか」といつもながらにわかに「わかりみ」が深まってきているので、彼我の差というものは確実にある。やってみないと分からない。やらないやつは早くトシをとる。といって、やればいいってもんじゃない。時分時って難しい。


LX100 波ガラス越しだが…関係なかったな。

皆が三々五々タイムクエイクの瞬間にまで戻ってきつつあるのか、仕事やら舞台やら、急に降ってきたり、スケジュールが決まったり。こちとらも中止中止で真っ白に戻ったスケジュールであればナンボでも入れられるのだが、そういうわけでさみだれながらジワジワと忙しくなってきた。30年前、代々木上原や渋谷からバイトに通ったあの協会もそろそろ動き出すようだ。いざ。
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河宮拓郎(カワミヤタクオ)
性別:
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