自分でも半ば信じがたいのだが、私は今も、去年の自分より確かにマシな音だという手応えを感じながら日々を送れている。そうでなければ、ワカモノにまじってコンクールに何度も首を突っ込むなどやれたことではない。
S5Ⅱ
留保めいた言葉は、せっかくの春だ、よしにして。1年半前に巡り合えた新たな世界一の竹は、ようやく手の裡におさまる気配が沈丁花の如くほんのりと。何年も、あるいは10年単位で先の話として、完全におさまってしまっては面白くもないどん詰まりだが、もうこれ以上の楽器は私の前に現れない=持ち替える必要はないと信じたい。世界一に慣れるのは、楽しいけれど大変なのだ。