たんまりと寝汗をかいて、ようやく熱が下がった。稽古・下合わせの関東遠征から未明に帰洛し、1.5時間睡眠で半日取材へ。そのまま転がるように母の一周忌、全日本クラブ卓球選手権・京都予選(あえなく敗退)へとなだれ込むうちに風邪を呼び込み、私にしては珍しく38℃前後の熱が2日続くというキツめの症状に難儀したのだった。汗が出れば熱は下がると分かっているのだが、時機が来るまではいくら水分を摂ってもいっこうに汗腺が開かない。あの「まだよ、まだまだ」の感覚、嫌いではない。さても、ここから本格化する本番連チャンに向け、直前に風邪を引いたことはおそらく幸運。まだ喉はセイセイいっており、今週末の有楽伯は多少仕上げ不足になってしまいそうだが。
一周忌では、お師さんの読経の後に仏前で一二三を吹いた。学生の頃は帰省の折に自室で練習したこともあったが、最近まで舞台は東京方面に限られていたこともあり、両親に面と向かって竹を聴かせたことはない。参加していただいた親戚や、家族ぐるみでのおつきあいがあった母の親友も初耳ではあったろう(ひとり、横浜在住のいとこは以前有楽伯を聴きに来てくれたことがある)。
広々とした本堂は、当然ながら同程度の容積の音楽ホールに比べれば綺麗には響かない。自分の音のノイズ成分がやや強調されて聞こえる、その抵抗に対して前足荷重で「軽く押して通す」感覚が楽しかった。母の感想は聞けなかったが、皆さまの反応は社交辞令を差し引いてもそう悪くはない感触。アンコールの声もかかり、その場には全くそぐわないが鹿の遠音5分バージョンも。父は昨夏に十三回忌を営んだほどで、これまでに仏前献奏の機会はいくらもあったのだが、いままで吹けなかった、吹こうとしなかったのはなぜだろうと、自問するふりをして答えは分かっている。もろもろ、肚が座っていなかっただけだ。
K-5Ⅱs
ショパンコンクールに入ったあたりで遅まきに見始めた「ピアノの森」。最終回と前後して初回から再放送してくれているのを欠かさず見ている。CG丸出しの演奏シーンはとてもキモチワルイが、アノ師弟関係には心をふるわせるものがある(あくまで主人公たちのタレント重視であった「のだめ」には薄かった要素だ)。同じ理由で「僕らのヒーローアカデミア」も次のクールを心待ちにしている。ええオッサンが。