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いずこじ

陰陽、笹の葉、風の色。琴古流尺八、道中甲有り呂有り。

うつつをつつ

目を回しているうちに本番が二つ終わってしまった。


LX100

つい先週の京都三曲協会定演は一日中ヒドい雨。こりゃお客さんも…の状況であったが、トリ前・尺八三重奏曲の演奏中少し目を上げると、京都邦楽の殿堂が最前列の方まで7割以上埋まっていて、おお、これはこれはと思ったものだ(追記:のちに客席から撮った動画を見て、7割は大錯覚と判明。では何割だったのか、は書かないが)。疫病禍で二度の延期、今度こそは生の舞台をつくりあげ、また聴くのだ、という皆さんの意気込みが伝わってくるようで、その迫力に思わず二度三度とミスをしてしまった。古典の約束ごとを離れた現代曲の指遣い、ふだん全くやっていない私にとっては「さあブレイクダンスを踊れ」と言われるのと同程度の苦行であり、またそれを本番の舞台で吹くということにあまりにも慣れていないので、ちょっとした外乱内乱で簡単にミスをする。いかんなあ。いかんが、じゃあ現代曲を特訓するか、とはならないのがなんとも。得手を磨く道中なれば。

つい先々週の八竹会は、もったいなくもトリの舞台に上げていただいた。早々に動画がアップされているので、これは聴いていただくのが早い。



まだまだ顔から力んでいるが、私が吹いた残月の中ではこれが最もリラックスしている本番だと思う。さらにさらに脱力できるよう精進せねば。三絃・岩崎さん、手事前半では下合わせ比3割増しのノリノリで弾いてくださり、場の空気を映しての丁々発止がなされたような。

皐月いっぱいは舞台はないが、決してヒマではない(どころかまたも半死半生となるはずの)助走期間として。水無月は肥後で一戦かまえた後においしい辛子蓮根を食べ、その10日後は、先週の竹方控え室だった文化芸術会館和室で「邦楽を楽しむ会」。新娘、海馬の譜にあいているだろう虫喰いを補修せねば。

暖かくなってきて、先生竹のご機嫌麗しい日が増えてきたのが嬉しい。ただいま稽古遠征の日程を工面するため、例によってもう一方の本業でヒイコラ。黄金週間? 〆切が前後するので迷惑なばかりの代物だ。
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河宮拓郎(カワミヤタクオ)
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