昨日。マハーバリプラムのシンボリックな巨岩・バターボールの下でさくらを吹いてみる。さくらにしたのは、本曲では長すぎようと思っただけで特に意味はない。ここで尺八を吹いた人間は私で何人目だろうか。いくらブッダの生国とはいえ、距離と文化の跳躍が大きすぎたか、音が土に馴染むような感触は正直なところあまり得られなかった。土? いや、ここら一帯の地面はおおかたがちょっと信じられない大きさの岩でできているのだが。このバターボールがある丘も「ひとつの岩」である。
K-5Ⅱs(以下同) Mさん撮影。同道してくれた娘ちゃんも右端に。
丘を登って横から見ると、こう。予想よりわずかに小さかったが、たいした奇岩。
途方もない大きさの岩、そのうち地上に露出している氷山の一角(といっても少年野球のグラウンドほどはある)を彫って造られた海岸寺院に驚嘆し、マドラス・クロコダイル・バンクで大量のワニを見物、ダクシナシトラ(建築を含めた南インド風俗の一大テーマパーク)で各地の文化に触れ、チェンナイに戻って『デリー・ハイウェイ』で特濃の北インド料理に感じ入る(酒を飲まなくても日々この油脂分・糖分を摂っていればそりゃ太るわ…)。ぼっちを救済してくれたMさんとご家族にはインド洋より深い感謝を捧げたいところだが、今日はこのあとお手製のランチを振る舞ってくれるそうで、お礼を言うには too early なのだ。