3日前からクアラルンプール。道中まずまず大変だったが、まあ旅はおよそ大変なものとして。
るつぼだモザイクだと聞いてはいたが、この国の多様性ときたらたしかに相当なものだ。人種が違い、宗教が違い、言葉だって一様ではない。ではマレーシア国民のアイデンティティとは何なのだろうと(幻想に過ぎないにもかかわらず常日頃から日本人がなんとなく「均一民族」であるかのように刷り込まれている私は)つい考えてしまう。
タイの人は尺八に云々と、その舌の根も乾かぬうちに、一生のうちに竹の音など一度も聴かなくったって当たり前だろうルーツ・モザイクの国を目のあたりに、文化って…と迷子になった心持ち。
K-5Ⅱs
人口3000万ほどのこの国の首都では、道という道で工事が行われ、至るところにビルが建ち、今が普請の真っ最中。恐ろしく歩きにくくて、こりゃ杖が要るようなジイサンは街になど出るなってことかねと。
難しいことはちょいと脇に置いといてワッショイワッショイ。どこかの島国もそんな時代を謳歌した。数十年先に立ち止まったとき、また振り返ったとき、足元に来し方にさまざまな「豊かさ」が残ればそれでいいのだから差し出口など無用だろうが、利益を生まない、しかし大事なものを、今要らぬから古くさいからと捨ててしまわず、押し入れの奥にでも仕舞っておいてくれればとは思う。
あ、押し入れはないか。